「育てにくい子」と感じる時に、気をつけてほしい~「発達障害のいま」
しばらく前に、職場での発達障害者といったお題で研修を受けてきました。その時に参考文献で使われていた本が気になったので、図書館で借りてみました。
参考に出ていた部分だけ見ると「難しい学術書」というイメージでしたが、実際に読んでみると実地経験を書かれていてとても分かりやすい内容でした!今回はこの本の内容をかいつまんでお話しします。
発達障害とは
著者による発達障害の定義は
発達障害 = 発達凸凹 + 適応障害
つまり、発達が凸凹しているだけでは障害ではない。本人が困っている場合を、障害と呼ぶ。
これは他の本でもよく見かける考え方ですが、式としてまとまるといっそう分かりやすいですね。
この本で特徴的なのは、虐待とトラウマについても詳しく書いてあることです。
知的遅れを伴わない発達凸凹の場合は単に「育てにくい子」「性格が悪い子」ととらえられて虐待を受けてしまうこともあるそう。虐待やトラウマによって起きる認知のゆがみが発達障害と似ていることもあるようで、ただ対策や薬などは違うため注意が必要となりますね。
発達凸凹の対策
発達凸凹が困っているのは、基本的には社会的な適応ができないからです。通常カウンセリングというと共感や傾聴をベースにされることも多いですが、発達凸凹の方には共感をするよりは考え方と行動を変えていく「認知行動療法」がふさわしいとのことです。私が力を入れていきたい分野なので、いっそうやる気が湧いてきました!
回りとうまくいかない、合わせてやっていけないことによるストレスから、うつなどの二次被害を起こすこともある発達障害者。この場合は共感的理解や、受診を勧めることも必要になってきます。
療育の要点
気を付けるべきは、以下の二点。
- もともとの問題(発達凸凹の困った点)を軽減させる
- 二次被害を作らない
小さい頃、「育てにくい子」と思われて親子の愛着がうまく出来ていなかったり、ちゃんと育てなければと厳しくされたことで過敏な子にはトラウマになったり、そこから二次被害に進むこともあるとのこと。
親としては大変なことも多いですが、子どもの困った行動も「わざとしている」のではなく「そのようにしか動けない」と考えたら何か対策を立ててあげようという気持ちになるのではないでしょうか。
子どもにとって、親に受け入れてもらうというのはとても大切なこと。大変な親御さんをサポートしていけるようにもなりたいと考えています。
よくまとまっていて、読みやすいですよ。興味のある方は、ぜひご一読下さい。
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