ジョリーフォニックス(jolly phonics)がいい!と言われても、それが何なのか想像もつかない、という方もいらっしゃると思います。

ジョリーフォニックスを使ってほしい!と思うのは、こんなお子さんです。

・英語の読み書きができるようになりたい
・英語の聞き取りができるようになりたい
・英語の授業で不安を感じたくない
・いきなり知らない言葉で話しかけられたくない
・次に何をするかわからないと混乱する
・黙って座っているのが苦手

これから、ジョリーフォニックスティーチャーズブックとJolly Study Square(ジョリーフォニックスを紹介する日本語サイト)に書かれていること、そして私の感想なども交えてご説明していきたいと思います。

なぜ、上記のようなお子さんにジョリーフォニックスを受けてほしいのか、読み進めていくうちにお分かりいただけると思います(^^)

ジョリーフォニックスとは

ジョリーフォニックスは、シンセティックフォニックスの1つです。シンセティックフォニックスとは、英語をアルファベットの名前や単語から教えるのではなく、「まずつづりの音から身に付けてもらいその後に音を組み合わせて単語を作っていく方法」です。
例えば、”pen”といきなり教えるのではなく、”p” “e” “n”それぞれの発音を学び、”pen”という言葉を知ることになります。

日本語でも、いきなり「はい、これは『つくし』と読みますよ~」とは習いません。「つ」「く」「し」それぞれについて読み、書き、そして「これ3つをつなげると『つくし』と読むんですよ~」となりますよね。それと同じ方法で英語を学んでいきます。

ジョリーフォニックスは、イギリスの小学校で読み書き困難な子どもに教えるために、先生が工夫して作った指導法です。
丸暗記に頼るのではなく、一つ一つの音を認識し理解することで読み・書きを定着させるという方法は、上にも書いたとおり、日本人がひらがなを覚えるのにとても似ているのではないでしょうか。

また、発達凸凹のお子さんでもわかりやすいように、とても様々な感覚を使って文字と音を学んでいくのも大きな特徴です。脳神経の発達に凸凹がある場合、「文字だけではダメ」「聞くだけではダメ」など感覚器官の得意不得意にも大きな差がある場合が多いです。いろいろやってみるから得意な方法で身に付けていこうね、というのがジョリーの指導法です(詳しくは『授業の流れ』をご覧ください)。

ジョリーが役立つのは、読み書きだけではありません。≪聞く≫能力のUPも目指せます。
皆さんはたぶん、日本語と英語だったら日本語のほうが聞き取りやすいですよね。英語とアラビア語だったら?英語が苦手という人でも、アラビア語より英語のほうがまだ聞き取りやすいのではないでしょうか?
なぜなら、皆さんお分かりのように、少しでも聞いたことのある音のほうが、聞き取りやすいからです。


日本語話者が英語を聞き取りにくいのは、英語の【音】をよく分かっていないから。フォニックスで一語一語発音を確認していくことは、英語の音を知ることになります。そのため、リスニングの力をつけることにもつながるんです。

英語は、苦手科目として数学と1、2位を争っています(残念ながら)。その理由として、「アルファベットを見ると頭が痛くなる」というミもフタもないものから、「覚えようとしても覚えられない」というものもあります。
そのような初歩的と思われるつまづきに、ジョリーフォニックスが大いに役立つと考えています。

なお、アルファベットは26文字ですが、ジョリーフォニックスでは母音を二つ並んでつづるダイグラフ(”oa” “ee”など)も扱い、全部で42音を指導していきます。私のクラスでも、1回1音→42音42回として設定します。

また、英語は不規則な発音もあるため、基礎の42音だけでは読めない単語もあります。その発音については、42音の後に学んでいくことができます。

授業の流れ

基本的な授業の流れを見ていきましょう。
ジョリーフォニックスでは、授業の流れが決まっています。これは、ジョリーが発達凸凹のお子さんでもわかりやすいように作られているからです。余計な情報がある・いつも違う流れである場合、集中が切れてしまったり必要なことが頭に入らなかったりするお子さんもいます。決まった流れにすることで、お子さんは次の予想がつきやすく集中しやすい状態になります。

①音の復習

(一番最初の s の時には、復習はありませんが)それまでに習った音すべてを素早く復習します。

②お話

その回で学ぶ音の導入です。想像力を働かせて聞く物語の中に、学ぶ音をたくさん入れこみます。

③アクション

アクションは②お話の中で出てきます。物語の中では指導者がしますが、聞いた後に生徒もアクションをすることで、体の動きを使った記憶の定着をはかります。

④文字指導

文字を正確に認識できない・書けないお子さんもいます。私は通信制高校でも英語を教えていますが、文字が乱れたり逆になったり単語の始まりと終わりがわかりにくい書き方をする生徒もいます。書き順や書き方など、基本ではありますが大事な部分です。

⑤音の聞き取り

指導者が言う単語の中に、学んだ音が入っているかを聞き取ります。単語がいくつもの音から成り立っていることがわかり、単語を正しく理解すること・正しく書くことにつながります。

⑥ブレンディング

単語のつづりを見て、発音をします。すでに学んだアルファベットのみで構成される単語なので、一音一音発音する→つなげて発音することができます。この方法を身に付けることで、初めて見る単語でも発音が想像できるようになります。

⑦ディクテーション

指導者が読み上げる単語を書き取る練習です。音の聞き取りの練習にもなりますし、文字を書く練習にもなります。

詳しくは、Jolly Study Squareのウェブサイトもご参照くださいませ。

こうやって説明を見ると「お勉強!疲れそう」というイメージを持ちそうですが、実際にやってみるといろいろな要素を短時間でつなげていくので子どもは飽きにくく進めていけます。
また、後半の単語の聞き取りや書き取りなどは、ゲーム感覚で楽しむお子さんがほとんどです。

今のところ、英語に大きくつまづくのは中学校に入ってからというのが私の感触です。そのため、ジョリーフォニックスは小学生のお子さんに一番にお勧めします。

「中学校に入ってどうにもわからなくなった」というお子さんには、ジョリーフォニックスと同時に学校授業についていくための補講塾クラスも使っていただけたら一番いいですね(補講塾はお子さんに合わせて内容を作っていくので、ジョリーを短時間入れ込むなどもできます)。

「外国なんか行かないから英語なんていらない」とは、英語を教えていてよく言われる言葉です。
確かにその通りです(^_^;)

でも、英語が少しでもできることで、将来の可能性や人生の幅が大きく広がることも間違いありません。ぜひ、多くのお子さんに、自分の可能性を広げてもらいたい…と、私は考えています。

オンラインのコースのほかに、2021年4月から八幡市橋本の集会所でも集団授業を行います。興味のある方は、ぜひお問い合わせください。