本の紹介~「学校に行きたくない君へ」
私と「不登校」との接点
自分が生きづらさを感じ続けていたことから子どもの支援に目を向けるようになり、産後子育てで悩んだことから子どもの発達に興味を持ち始めました。
そこでまた英語に関わる仕事もしたいと思い、出会ったのがフリースクール・通信制高校の英語講師の仕事。生徒たちに関わるうちに、もっと早期から対応することと長期的視野を持った支援の必要性を感じ、小学校の相談員と通信制高校のSST講師を始めています。
私の不登校の子への関わりは、こんなふうに流れるように進んできています。
私自身、いじめとかあったわけではないけども、集団化する女子になじむことができず中学校と高校は行って楽しいものではなかった。楽しい時期もあるにはありましたが、自分の居場所を見つけられない時期のほうが長かったからだと思います。一歩違う方向に進んでいたら私も不登校になっていたかもと思うので、学校に行きたくない・行けないと感じる子どもは他人ごとではないと感じます。
先輩たちが語る、学校との関係
この本が気になったのは「学校に行きたくない」という文字と、インタビューされているのがかなり面白い(と私が思っている)著名人だったからです。その方たち全員が不登校を経験したわけではありません。行くのに問題なかったと感じている人でも、その人なりの「学校とのつきあい方、人間関係の作り方」を答えてくれています。
インタビューを受けているのはこんな人
インタビューを受けているのは、例えばこんな人たち。
・その潔い死の迎え方でも有名になった、樹木希林さん
・漫画「ジョジョ」シリーズを描いた漫画家、荒木飛呂彦さん
・表紙の絵を描いている破天荒漫画家、西原理恵子さん
・貧困問題などで積極的に発言されている作家、雨宮処凛さん
・「名探偵コナン」の声優としても知られる、高山みなみさん
・脳科学者の、茂木健一郎さん
様々な分野で、いろいろに活躍している方々です。読んでいて「あれ、この人も学校に行けない時期があったの?」と意外に感じることもありました。
私が一番納得したのは
どのインタビューも、とても興味深い。その中でも私が一番腑に落ちたのは、玄侑宗久さんの「私たちはもっと揺らいでいい」。こんなことが書いてあります。
『自分を歴史のように一貫したものと見なさない。季節が変わるごとに気持ちが変わるのは生き物として自然なこと。つねに新しい局面を見せる現実の「いま」に合わせて変わっていけばいい。悩んでいる時は思考を止めるのも大事』
私はどちらかと言えば、「変わらないこと」を自分では大切にしていると感じます。
ノリで約束はしない。
言ったことは守る。
人が言ったことも覚えていて(固執してるつもりはないけど記憶がそういうふうにできているので)、それを前提に動いていると「あれ?前にこう言ってたけどその気はなかった?」と思うことも自分で活動を始めてからここ数年で何度もあります。最初のうちは結構ガックリきてましたが、自分と人の記憶の方法や価値観の違いを実感するようになりました。
実際は私自身も根本は変わっていないものの興味の移り変わりで仕事も少しずつ変化しているし、玄侑宗久さんのインタビューを読んで「変わるほうが自然なのか」と感じさせてもらいました。
この本には、上記の人を含めて20人へのインタビューが収録されています。あなたは、誰の話が一番スッと心に入るでしょうか?
生き惑う大人にも勧めたい
この本は、題名の通り「学校に行きたくない」子どもへのメッセージになっています。でも読んでいて、私自身が納得した考えさせられたりしたように、大人にも読んでもらいたい本だと思いました。
特に、「今のままでいいのか」「どう生きていったらいいのか」悩んでいる人には、多様なジャンルの多様な意見が書かれていて何かの参考になるのではないかと思います。
生きていると、様々に苦しいことやつらいこともあります。
それが「糧になった」と、最後には言えたらいいよね。
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