訳は1対1じゃないよ

「前は〇〇と覚えたのに、違う意味もあるの」
「日本語じゃこんな言い方しないよ」

英語を教えていると、生徒さんからよくこんな叫びが出ます。

説明するようにはしてますが、「こういうものだから覚えたほうが早いよ」と話すこともあります。

外国語を学ぶ時に頭に入れてほしいのは、
『外国語と日本語は、まったく別の土地で別の文化の中で独自に発展したものだ』
ということです。

例えば、日本語で『高い』と言う一語も、簡単な英語でも【high】【tall】のニ種類は思い浮かびますよね。
これを知って「なんで二種類もあるんだよ!」と叫ぶわけです。

『小さい』と覚えた【little】に、『ほとんどない』という意味が出てきて
「なんで2つも意味があるんだよ!」と、叫ぶわけですね。

【drink】は『飲む』という意味で知られてますが、その後ろに何を飲むかを付け加えなかったら『=アルコールを飲む』と受け取られることもあります。

これらを「なんでだよ」と言っても仕方ありません。
物事を明確に伝えるか遠回しに伝えるか、雨が多いか少ないか、農耕か牧畜か、こういった様々な要素で文化が出来上がっているというのは、理解しやすいと思います。
そして言語はもちろんその価値観に大きく影響を受ける。と言うよりも、その価値観を伝えるために言語があるんですから。

前にもどこかに書いたのですが、特に中学生くらいからぜひ、辞書を引きながら外国語を勉強してほしい。

学校の教科書の後ろの方には単語集があって意味が書いてありますが、その教科書で使う意味しか書いていません。それを「該当する単語と一対で翻訳できる意味」と早々と感じてしまうと、その後に別の意味が出てきた時に複雑に感じてしまうように思います。
それに比べて辞書には、単語のいろいろな意味が書いてあります。本格的な学び始めのとっかかりからそれを知っていると、そんなものかと学習を進めていけます。もし、複数の意味から共通するものを抽出できたら、その後読んだ文章に出てきた時も概略をつかみやすくなります。

辞書は電子でも紙でもかまいません。見るということに負担を感じるタイプでなければ、外国語を少しでもスムーズに身につけていきたければ、遠回りに感じるかもしれませんが辞書を使いながら学習することを強くお勧めします。