子どもには、失敗の成功体験を

失敗を恐れる子ども達

小学校と通信制高校で勤務しています。

通信制高校では、キャリアスキル(ソーシャルスキルトレーニング)と英語を担当しています。
そこで感じるのは…

子ども達が、かなり≪失敗を恐れている≫こと。

最近の通信制高校は、不登校だった生徒が来ることが多いです。ある意味、自分に自信をなくしている子が多い。
そのせいもあるとは思いますが…

何かを教えるとき、間違えるのはウェルカムです。
初めて知ることなのだから、いきなりできなくてもいい。間違いがきっかけになって、頭に刻み込まれることも多いのです。教える方としては、最終的に答えではなく【応用できる考え方】が身についてくれたらベスト。

でも、子ども達は
「間違ってるかもしれないけど…」
「あー違うかも!」
と前置きをして、発言します。
私としてはできるだけ、威圧的にならないような授業をしているつもりですが(^^;

内気で恥ずかしがりやな子ほど、間違えたくないという気持ちは強い気がします。
私自身、顔も体格も押し出しが強いので信じてもらえませんが、ものすごく内気で恥ずかしがりだったので(今でもですけど。発言するときに緊張で赤面したりはよくあります)その気持ちはよくわかります。

 

失敗を恐れるのは子どもだけだろうか

でも、思い当たりませんか?
大人であるあなたも、失敗を恐れていませんか?

変なことを言ったら嫌われる。
人と違うことをしたら笑われる。
【自分がしていることは、≪正解≫なのだろうか?】

こう、思うことはありませんか?
同調圧力の強い日本では特に、そのように考えて萎縮する人が多いといいます。

 

大人の姿勢が子どもに伝わる

その姿勢は、確実に子ども達に伝わります。
たぶん、口に出してそう伝えることもあるでしょう。

「そんなことしてたら、変な子だと思われるよ」
「きちんとしないと、笑われるよ」
「おとなしくしてないと、怒られるよ」

良かれと思って伝える言葉は、その言葉を発した状況でのみ伝えたかったはず。
でも子どもたちは、何度も同じことを言われることで、全ての状況でそうなのだと受け止めます。

「好きなことしてたらいけないんだ」
「間違ったことしたら嫌な目にあうんだ」

そして、
「自分のしていることは、間違ってるのか合っているのか?」
と、自然と気にするようになります。

そして、
「人と違うことする人には、笑ったり怒ったりしていいんだ」
と、自然に思うようになります。

 

子どものうちに、いっぱい失敗を

≪正解しなければ≫と思うと、動くのが怖くなります。
世の中や他の人が怖くなります。
新しいことに挑戦もできません。

親としては、危なっかしくてまだまだできないことが多い子どもにはいろいろ注意をしたくなりますよね。
注意するのはいいんです。ただ、注意する場面を意識的に限定してもらえたらと思います。
「これは注意する」「これはまだ大丈夫だから好きにさせる」このメリハリがあるといいですね。

発達凸凹の子ども相手の場合、特に注意が多くなってしまいがちです。でも、その子の特性によっては

何度話しても内容が頭に残らず、嫌な気持ちだけが残る
軽い注意をすべてに適用して考える

こんなことも起こりえます。子どものことをよく観察して、どんな方法がいいのかは子どもに合わせていけたら一番いいですね。

 

我が家の場合

私の娘は、私に似たのかとても恥ずかしがりで内弁慶です。
小さい頃から、できないのがいやだからやらない、という感じでした。

私はやんちゃな兄がいて、私が負けず嫌いなこともあって兄と同じようなことをたくさん挑戦してきましたが(今思えば)、娘にはそんな相手もいません。

かんしゃくも激しかった娘は、このままだとできないからって怒り続けるようになってしまうのでは。やりたいことにも挑戦しないようになってしまうのでは。
そんな危機感を持った私がとった方法は、

……
1 「なにごとも慣れ」と伝え続ける
2 新しいことをたくさんさせる
3 私が失敗する姿を見せる
……

1は、勉強で新しいことを習ったとき、遊びや習い事で新しいことをしたとき、そしてそれが少しでもできるようになったときに、とにかく繰り返し伝えました。

2は、親のアドバイスを聞かない子だと思った時点で、自分で興味あることを見つけてもらうしかないといろいろ体験させている、というのとたまたま重なりました。

いろいろ体験する→最初はできない→「慣れたらできる」と話して聞かせる→言われていやいややって、少しできるようになる→「ほら、慣れたらできる!」

今でもこの繰り返しです。
最後に(→「やったらできるんだ!」の自信になる、自分からどんどん挑戦するようになる)のが、目標です。

3は、目指さなくても自然体でできてますが(^^;
年とともに私の忘れ物がひどくなり、料理は得意じゃないと公言してるし、最近は部屋の整頓は娘のほうが上手になりました。

 

私はけっこう厳しい親なので、理想論で子育てをしてしまっています。(その功罪については、また別に書きます)。
でも理想だけを信じて育ってしまっては困るので、「実は人間ってうまくいかないこともあるよ」というのをチラチラ見せながら生活している感じですね…

 

 

方法はいろいろあると思いますが、とにかく子どもが失敗する機会をどんどん作っていってください。
そして、「失敗しても大したことない」という経験をどんどんさせてもらいたいと思います。

その結果、ちょっとした失敗を気にせず行動し、人と自分の違いも気にしない子が増えてくれたら…と考えています。

 

 

子どもには、失敗の成功体験を” に対して 2 件のコメントがあります

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