ワンオペ育児 ~産業カウンセラー協会の記事をもとに

「育児ってこんなに大変だったのか!こんなに大変なことを、女であるということだけで皆こなしているのか(・□・;)」

出産後、何度こう感じたことか。産後夫とのケンカはたいていが育児参加に関することで、昭和時代のモーレツサラリーマンのままな夫と、故郷を離れて子どもを育てる私との意識の違いをすり合わせることが本当に難しかった。

パートナーや親の助けがほとんど無い中で子育てをする、ワンオペ育児

産業カウンセラー会報誌 ワンオペ育児

 

 

 

 

 

 

 

それが、お堅い産業カウンセラー協会の会報誌に載ることになるとはね・・・そこまで問題が大きくなっているということかと思います。たまに世間をにぎわしてしまう虐待事件につながることも多いからでしょうね。

 

 

資料・データからみるワンオペ育児

会報誌の中には、まずいくつかのデータを元にした記事が載っています。

 

なぜ、働きたいの?

専業主婦をしながらのワンオペも精神的に大変なものがありますが、記事の中では時間的な問題も取り上げているので、共働きの女性をメインにしている印象です。現代女性は昭和の頃よりも共働きを選ぶ人が増えている。それはその人があえて働くことを選んでいる場合もありますが、「経済的に必要だから」という理由が半数を超えるようです。

20年前と比べると、物価は変わっていないのに世帯収入は月に10万円も少ないとのデータもあります。その一方で、家庭の年収と子どもの成績に相関関係があるという文科省の調査結果もあり、子どもの習い事は昔よりもかなり増えています。実際に私の回りでも、習い事をいくつもしている子をよく見かけるし、我が子も複数習い事をしています(我が家の場合は、好き嫌いの多い娘のハマるものを早めに見つけたいという目的もありますが)。収入は減っているのに支出は増えている。支出は減らしたくなければ収入を増やすしかない、そういう意味で共働きをする家庭が多いということでしょう。

 

なんでワンオペなの?

パートナー不在の育児

昭和は、専業主婦が当たり前にいた時代でした。高度成長期で仕事はたくさんあり、働けば働くほど収入も増えた時代。「24時間働けますか・ジャパニーズビジネスマン」というCMが<前向きな意味>で流された時代、その意識を引きずった男性がまだまだいます。成長が右肩下がりになっても、企業の側は生き残るために人件費を減らして数少ない人で仕事を回そうとするので、働いている人の仕事は減らない。休みたくても休めない人も多いでしょう。その上で男性の権力意識というのもあると私は考えますが、「家庭のことは女の仕事」と感じている男性もいることと思います。

そのいろいろが絡み合って、家事育児を手伝う男性はまだ少ないのです。イクメンという言葉もありましたが、実際に夫と妻の生活時間を比較したデータでは「夫の育児参加はテレビ雑誌にかける時間とほぼ同じ」こんな結果が出ています。妻が育児にかける時間の4分の1です。その他趣味・娯楽・休憩にかける時間は夫妻で妻が少し少ない程度であまり差が無いので、4分の3の時間は働いてるか寝てるかということになるのかしら。

 

祖父母の助けを得られない

パートナーがダメなら親!と思っても、手伝ってくれる母・義母は90年代後半をピークに減っているそうです。理由は明らかになっていませんが、晩婚化高齢出産が増えた影響で親世代がすでに手伝える状況にないということもあるでしょうし、都市部で働く人は地方から出てきている人も多いので、そもそも近くにいないということもあるでしょう。

ちなみに、私が住んでいる地域は他の地域から来た人のほうがかなり少ないという土地柄で、保育園のお迎えにじいじばあばが来てることも珍しくなく、激烈にうらやましかったです。

 

外部サービスを導入しにくい

収入が足りないと思うから働いているのに、高額な家事手伝いのサービスは使いにくい。それに、母親なんだから家や子どものことはきちんとしないと。と考えている女性が多くいるようです。よその人に頼らない。ご飯は栄養を考えて、身だしなみもキレイにさせて、お弁当はキャラ弁で、仕事で忙しくても家庭のことはしっかりしないと、母親なんだから。1日24時間の中でこんな生活を続けるのは、寝る時間を削るかロボットでもないと難しいですよね。

 

時間がないから自分でやったほうが早い

女性はあきらめがいいものです。何も頼れないなら自分で!となりがちです。パートナーがたまにやるといつもの自分のやり方と違うから後が面倒。もたもたしているのを見ていられない。少し関わったからって後で大きい顔されるのがイヤ。そんな気持ちもあると思います。

 

こんな理由で、ワンオペ育児になるママが増えているということ。原因は一つだけではない人が多いでしょうし、いろいろな社会制度も関わる問題なので一気に解決は難しいと感じます。

私自身、子どもを産んでしばらくはフルタイムで働き、かんしゃくの多い娘の育児と仕事さえしてれば責任を果たしていると考える夫(一面では有り難いのですけど)との家庭生活でかなり疲れ果てていました。フルタイムをクビになり半分自営で働く今も、理解度は増えたとはいえ夜や週末の都合がわかりにくい夫の状況は変わらないので、娘の習い事や行事とにらめっこしながら仕事を入れる日々です。最初からフルタイムでバンバン稼いでいるなら「仕事があるから鍵っ子でがまんしてね」と思えるかもしれないけど、娘の成長をしっかりと確認する必要があると感じているので今はそれ優先。それでも、自分で決めたことでもモンモンとすることも多いのです・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「ワンオペ育児」という言葉を広めた藤田結子さんの話

「ワンオペ育児」という言葉を広めた、藤田結子さん。会報誌には、この方のインタビュー記事もあります。

上に挙げたような内容をより具体的に話されていますが、別の視点からの話として「ママ同士の横のつながりがなくなった」という点を挙げられていました。専業主婦が多かった時代であれば、道に集まって子どもを遊ばせながら井戸端会議というのも確かに普通でした。でも子どもが小さいうちから仕事に復帰する人が増えているのであれば、知り合いも作りにくいしのんびりと愚痴を言う時間も相手もいない。

私はこういうコミュニティがあまり得意ではない(人見知りで、密なコミュニケーションを維持するのが苦手)ですが、娘を産んでベビーマッサージとか子育て広場とか行けそうなものには顔を出していました。子どもが泣き叫んでも問題ない場所で、同じ立場のママさんと話をしたかったんですね。保育園で一緒だったママさんとも、数は少ないですが交流させてもらって助かってます。この私でもこんなふうに感じることを考えると、つながりの大切さを実感します。

 

 

ママの精神状況は、子どもにも影響します。これだけ子どもに接しているママだからこそ、他の誰がいなくてもママだけは精神的な余裕をもって生活してもらいたい。

心配は、生まれた時から

 

 

 

 

 

 

カウンセリングでは、「話す」=「離す」と考えます。悩みごとや困ったことは、人に話して楽になる。実際、物事は解決しなくても煮詰まった気持ちを吐き出すことで、「なんかスッキリしました」という方も多いのです。ぜひ、利用してもらいたいと思います。また、実はとても大変な状況にあっても、外でそういう部分を出さない人は分かってもらいにくい。誰かれ構わずおせっかいなくらい声をかけていく、それも一つ簡単にできる方法ではないでしょうか。

大変すぎて支援を求めるどころではない人のところにリーチできるような何かを、考えていきたいとも思います。何かアイデアがある方、ぜひお知らせください!

 

 

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